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カーシェアとレンタカーの違いについて行政書士が解説します


都会を中心に、自動車は持たず、必要なときだけレンタルする方も多いでしょう。その際に選択肢となるのがカーシェアレンタカーですが、その2つの違いをご存知でしょうか。
この記事では、カーシェアとレンタカーの制度上の違いについて自動車専門の行政書士である私が解説します。

レンタカー(自家用自動車有償貸渡事業)

レンタカー事業は道路運送法第80条に基づく「自家用自動車有償貸渡業」に該当し、事業を行うには運輸局への「レンタカー事業の届出」が必要になります。

レンタカー事業を始めるための要件

  • 運輸局への届出:道路運送法に基づく「レンタカー事業の届出」を提出。
  • 車両の登録:使用する車両は「自家用登録(白ナンバー)」であること。
  • 事業所の設置:適切な営業所を設置し、車両の点検・整備体制を確保。
  • 契約の締結:利用者と貸渡契約書を交わす。
  • 貸出拠点の確保:駐車場や拠点から車両を貸し出す形態が一般的。

レンタカー事業は、1時間単位や日単位での貸し出しが中心で、貸渡契約を結ぶことが必須です。

カーシェアリング(シェアカー)

カーシェアリング(以下、カーシェア)は、他人所有の自動車を乗るという点ではレンタカーと共通していますが、先述の「自家用自動車有償貸渡業」には該当しないとされています。そのため、レンタカーのような「届出」は不要ですが、適切な事業運営が求められます。 

カーシェアリングの特徴

  • 法的な位置付け:レンタカーに分類される場合もあるが、運営形態が異なる。
  • 会員制:事前登録した会員がアプリやICカードで車両を開錠・利用。
  • 短時間貸出:10分~30分単位の短時間利用が主流。
  • 貸出形態:ステーション型(駐車場貸出・返却)やフリーフロート型(どこでも乗り捨て可能)など。
  • レンタカー届出不要な場合が多い:ただし、運輸局や自治体の判断で適用される場合あり。

レンタカーとカーシェアリングの違い(許可面)

項目レンタカー(貸渡事業)カーシェアリング(シェアカー)
根拠法道路運送法(第80条)現時点で特定の法規なし(場合によってレンタカー扱い)
許可・届出運輸局へ「自家用自動車有償貸渡業」の届出が必要原則不要(事業内容によっては届出が必要になる場合あり)
ナンバー白ナンバー(自家用)白ナンバー(自家用)
利用形態1時間単位、日単位で貸し出し10分~30分単位の短時間貸し出しが主流
事業形態拠点型、店舗貸し出しが多い無人ステーション型やフリーフロート型が多い
契約形態貸渡契約(都度契約)会員登録制(アプリ・ICカード利用)

カーシェアがレンタカー扱いされる場合

カーシェアであっても、レンタカー事業(自家用自動車有償貸渡業)として扱われる場合があります。判断基準は以下の通りです。

貸渡行為と見なされるケース(道路運送法 第80条)

  1. 不特定多数に貸し渡す場合
    • 会員登録なしで利用可能。
    • 利用ごとに貸渡契約を交わす。
    • → レンタカー事業の届出が必要。
  2. 時間貸し・日貸しで明確な料金設定がある場合
    • 事業者が有償で短期間貸し出す。
    • → レンタカー事業と同様の扱い。

運輸局や自治体の判断による指導

  • 営利目的で車両を貸し出している場合。
  • カーリースではなく時間貸し形式で提供している場合。

タイムズカーシェアはレンタカー扱い?

皆さんもご存じであろうタイムズカーシェアは、カーシェアという名前ですが、実際は「レンタカー事業」として運営されています。タイムズカーシェアは時間貸しの自動車貸渡しに該当し、道路運送法第80条に基づき「自家用自動車有償貸渡業」の届出を行っているためです。

タイムズカーシェアのようなサービスは、短時間レンタカーの一形態と考えられるため、カーシェアリング全体がレンタカー扱いされるわけではありませんが、事業形態によっては同じ許可が求められるケースがあります。

まとめ

  • レンタカー(貸渡事業)は、運輸局への届出が必須。
  • カーシェアリング(シェアカー)は、現時点では届出不要な場合が多いが、事業形態によっては「レンタカー事業」として扱われるケースもある。
  • カーシェアリングでも、運営方法次第でレンタカー事業に該当することがあるため、事業計画を慎重に策定し、運輸局や自治体に事前確認することが重要。

これからレンタカー事業を始める方は行政書士にご相談ください

当事務所は自動車分野に特化した行政書士事務所です。レンタカー事業を始めるには自家用自動車有償貸渡業の届出が必要ですが、書類の作成から申請までをワンストップでサポートいたします。

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田中 俊

山梨県甲府市出身
早稲田大学を卒業後、地元甲府市で行政書士事務所を開業。自動車関連手続きに特化した行政書士として、地元の皆様のお役に立てるよう日々活動しています。

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