日本で働く外国人が転職を考える際、日本人と比べて多くの手続きや制約があります。在留資格の確認、必要な書類の準備、入国管理局への届出など、慎重に進める必要があります。
本記事では、外国人がスムーズに転職するための具体的な手順 を詳しく解説します。

目次
転職前に確認すべきこと
在留資格の確認
外国人の転職は、現在の在留資格(ビザ)によって可能かどうか が決まります。転職前に、「転職ができるのか」「在留資格の変更が必要か」 を確認しましょう。
転職の可否と注意点
在留資格ごとに、転職の可否や制限が異なります。以下の表を参考にしてください。
在留資格 | 転職可否 | 具体的な制限・注意点 |
---|---|---|
技術・人文知識・国際業務 | 可能 | 職種変更には注意(例:ITエンジニア → ITエンジニアはOK、ITエンジニア → 飲食店マネージャーはNG) |
技能 | 可能 | 業務内容が同じなら変更不要(例:フランス料理のシェフ → フランス料理のシェフはOK、フランス料理のシェフ → 日本料理のシェフはNG) |
特定技能 | 可能 | 転職先が同じ業種である必要あり(特定技能1号の場合。業種変更には在留資格の変更が必要) |
経営・管理 | 可能 | 経営者の変更なしならOK(会社を経営する立場を維持している限り転職不要。ただし、経営者ではなく従業員になる場合は在留資格変更が必要) |
高度専門職 | 可能 | ポイント制の要件を満たす必要あり(転職後も一定の年収・学歴・業務内容を維持しないと資格を維持できない) |
技能実習 | 原則不可 | 例外あり(実習先の倒産・ハラスメントなどで監理団体の許可を得た場合は変更可能) |
短期滞在 | 不可 | 就労不可(転職以前に就職自体ができないため、まずは「就労可能なビザ」への変更が必要) |
留学 | 不可 | アルバイトのみ可(資格外活動許可を得れば、週28時間以内のアルバイトは可能。ただし、転職する場合は「技術・人文知識・国際業務」などへの変更が必要) |
家族滞在 | 不可 | アルバイトのみ可(資格外活動許可を得れば、パートタイム勤務は可能だが、フルタイムの転職は不可) |
文化活動 | 不可 | 学術・芸術活動のみ許可(転職は不可。就労する場合は在留資格変更が必要) |
研修 | 不可 | 実務を伴わない研修のみ可能(就労不可) |
特定活動(一部) | 条件付き | 特定活動の内容による(例:「本邦大学卒業者(46号)」なら転職可能。「ワーキングホリデー」や「医療滞在」は転職不可) |
ポイント
- 転職可能 でも、業種によっては在留資格変更が必要な場合あり
- 転職不可 の場合は、新たに適した在留資格を取得しなければならない
- 技能実習生の転職 は原則不可だが、適切な手続きを踏めば変更可能な場合もある
転職後の手続き(スケジュール順)
転職後14日以内
- 所属機関変更届の提出
- 提出先: 地方出入国在留管理局(管轄のオフィスに持参または郵送)
- 提出方法: 必要書類(在留カード、新雇用契約書、変更届)を用意し、出入国在留管理局の窓口に提出
- 注意点: 提出を忘れると、今後の在留資格更新が難しくなる可能性がある
- 在留資格変更申請中に働けるか?
- 変更前の資格で新しい職種がカバーされていれば働ける
- 新しい業種に変更が必要な場合は、申請許可が下りるまで働けない
- 例: 「技術・人文知識・国際業務」→「特定技能」への変更が必要な場合、許可が出るまで就業不可

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