国際結婚が増加する中、日本の戸籍制度がどのように関わるのかを理解することは重要です。日本人同士の結婚とは異なり、外国人と結婚すると戸籍の扱いが変わります。本記事では、国際結婚後の戸籍の変化、子どもの戸籍や国籍、離婚や死別時の影響、必要な手続きについて詳しく解説します。

目次
国際結婚と戸籍の基本
日本の戸籍制度とは?
日本の戸籍は、日本人の身分関係を公的に記録する制度です。出生・婚姻・離婚・死亡などの情報が記録され、一つの戸籍には「筆頭者」とその家族が記載されます。
戸籍と住民票の違い
- 戸籍:日本国籍を持つ人の身分関係を記録(外国人は含まれない)
- 住民票:日本に住むすべての人を記録(外国人も含まれる)
つまり、外国人配偶者は住民票には記載されますが、日本の戸籍には入らないという点がポイントになります。
外国人は結婚しても日本人の戸籍に入ることはない
日本人は婚姻によって戸籍が変わりますが、外国人には戸籍がないため、結婚しても日本人の戸籍に直接入ることはありません。これが、日本人同士の結婚との大きな違いです。
外国人と結婚したら日本人の戸籍はどうなる?
婚姻による日本人の戸籍の変化
日本人が外国人と結婚すると、以下のように戸籍が変わる可能性があります。
- 日本人が本籍地のある戸籍にそのまま残る場合
- 新しい戸籍を作る場合(夫婦が別姓で婚姻する場合など)
- 配偶者が帰化した場合(その後、戸籍が作成される)
夫婦別姓の扱いと戸籍の関係
日本では、夫婦は原則として同じ姓を名乗る必要があります。しかし、外国人と結婚する場合、日本人は姓を変更しなくてもよいという例外が認められています。
- 日本人が外国人と結婚し、姓を変更しない場合 → 日本人の戸籍はそのままで、戸籍には「○○国籍の○○(外国人配偶者の氏名)」と記載される。
- 日本人が外国人の姓に変更する場合 → 新しい戸籍が作成される(例:旧姓が「田中」→ 結婚後に「スミス」に変更)。
日本人同士の結婚では、必ずどちらかの姓を選ばなければならないため、この点が国際結婚との違いです。
外国人配偶者の戸籍はどうなる?
外国人との婚姻はどこに記録される?
日本人と外国人の結婚は、日本人の戸籍に「○○国籍の○○と婚姻」と記載されます。しかし、外国人配偶者には日本の戸籍がないため、結婚しても日本の戸籍には入れません。
外国人配偶者の結婚記録は以下の場所に残ります
- 住民票:外国人も日本に住んでいる場合、住民票に婚姻関係が記録されます。
- 外国人の本国の婚姻登録制度:国によっては、結婚したことを母国の役所に届け出る必要があります。
- 在留カードには記録されない:日本の在留カードには婚姻の情報は記載されません。
外国人が日本の戸籍に入る方法
外国人が日本の戸籍に入るには、日本国籍を取得する(帰化する)必要があります。
子どもが生まれた場合の戸籍の扱い
子どもの国籍選択と手続き
日本と外国の両方の国籍を持つ子どもは、22歳までにどちらかを選択する必要があります。
国籍選択の手続き
- 22歳までに「国籍選択届」を法務局に提出する(日本国籍を選ぶ場合)
- 外国籍を選ぶ場合は、日本の国籍離脱手続きを行う
- 手続きをしないと、国籍選択を求める通知が届く可能性がある
- 通知を無視し続けると、日本国籍を喪失することがある
国際結婚後に離婚・死別した場合の戸籍
離婚後、外国人配偶者のビザはどうなる?
外国人配偶者が「日本人の配偶者等」の在留資格を持っていた場合、離婚するとこのビザを更新できなくなります。
- 離婚後6か月以内に別の在留資格に変更する必要がある
- 変更可能なビザの例
- 「定住者ビザ」:日本で長期間生活していた場合
- 「就労ビザ」:仕事をしている場合
- 「留学ビザ」:日本の学校に通っている場合
外国で結婚した場合、日本の役所に婚姻届を提出しないとどうなる?
外国で結婚した場合、日本の役所に婚姻届を出さないと、日本の戸籍に記録されません。
提出しない場合の影響
- 日本の戸籍では「未婚」のままとなり、結婚を証明できない
- 日本で配偶者ビザ(在留資格)を申請する際に不利になる
- 相続手続きや税制上の問題が発生することがある
対策
- 外国で結婚したら、日本の市役所に「婚姻届」を提出するのを忘れないこと
- もし未提出だった場合でも、遅れて届け出ることが可能

田中俊行政書士事務所
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